VDT作業について(産業衛生シリーズ)

本コラムは、日頃の産業医活動の中で行なっている講話から、一部をご紹介するものです。健康経営※に取り組む皆様のお役に立ちますと幸いです。

今回はVDT作業についてご紹介します。

VDTとは【Visual Display Terminals】の頭文字で画面表示をする端末装置(PCディスプレイなど)と入力装置(キーボード、マウス、スキャナー等)で構成される機器のことVDT機器と呼びます。
VDT機器を用いて行う作業をVDT作業といい、具体的にはPCやスマートフォン、モニター画面を確認することなどが該当します。現代の働き方において、これらのVDT作用は欠かせない存在です。

しかし長時間のVDT作業は身体や心に様々な影響を及ぼす可能性があるため、正しい知識を持って適切な環境・対策を講じることが重要です。

VDT作業が健康へもたらす影響

・眼精疲労
VDT作業が長時間におよぶと目が疲れる、目が痛いといった症状が続いたり、めまいや頭痛など身体に悪影響が及ぶこともあります。医学的にはこのような状態を眼精疲労と呼びます。
また手元の画面を見続けることにより視力の低下が生じることもあります。

 

・肩こり、腰痛
同じ姿勢で画面を見続けることで、首や肩の筋肉が緊張し血流が悪化します。また不適切な姿勢や座り続けることで腰痛が引き起こされることがあります。

 

・精神的ストレス
VDT作業を長時間続けることは集中力を必要とします。精神的にも疲労がたまりやすく、気づかないうちにイライラしやすくなっていることがあれば、長時間のVDT作業の影響かもしれません。

上記のように、長時間のVDT作業は心身に様々な影響を及ぼします。現代の働き方においてVDT作業による負担を軽減するためには、作業環境の整備とセルフケアが重要です。 

VDT作業環境とセルフケア

・適切な作業環境
照明による適切な明るさ、椅子と座る際の姿勢、ディスプレイの配置などを調整し、身体に負担が少ない作業環境を目指しましょう。下記の画像はVDT作業を行う際の理想的な姿勢、作業環境の一例です。

独立行政法人 労働者健康安全機構 東京労災病院 治療就労両立支援センター
「しごとやプライベートでのVDT作業を快適に 今日からできる行動改善ガイド」パンフレットより引用

・セルフケア
連続するVDT作業は身体に負担となります。1時間作業をしたら5分休憩する、などこまめに休憩をとるように心がけましょう。
またディスプレイをのぞき込む姿勢が増えるとストレートネックや肩こりなどになりやすく、首や肩に痛みが生じます。伸びをする、肩をゆっくりと回すなどの軽い体操を行い、血行を促進させることを意識しましょう。


弊社でもVDT作業環境改善について取り組んでおります。ブログにて弊社の取り組みをまとめた記事もあり、取り組み例としてご参考になれば幸いです。
関連する以前の記事はこちら
実践!健康経営 〜弊社の取り組み「作業環境改善にむけて」~
実践!健康経営 〜弊社の取り組み「イベント開催! ヘルシーデイ×VDT作業」


まとめ
VDT作業は、私たちの生活を豊かにする一方で、身体的・精神的な負担も伴う作業です。日々の作業を快適かつ健康的に続けていくためには、作業環境の見直しや生活習慣の改善が欠かせません。適切な作業環境、ストレッチなどのセルフケアを行い、長く健やかに働き続けるための工夫を取り入れていきましょう。


参考:
1 
独立行政法人 労働者健康安全機構 東京労災病院 治療就労両立支援センター しごとやプライベートでのVDT作業を快適に 今日からできる行動改善ガイド

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次