冷房病(産業衛生シリーズ)

本コラムは、日頃の産業医活動の中で行なっている講話から、一部をご紹介するものです。
健康経営※に取り組む皆様のお役に立ちますと幸いです。

今回は「冷房病」についてご紹介します。

より厳しい暑さとなっている昨今の夏、冷房の使用は欠かせないものとなっています。冷房器具を有効に活用することは熱中症予防として重要ですが、オフィスでは個人に合わせた温度設定ができないため、健康面に影響を及ぼすことも少なくありません。冷房の効いた場所に長くいることにより身体の体温調節機能に影響し何らかの不調が生じている状態を「冷房病」「クーラー病」と呼ばれています(医学的な病名ではありませんのでご留意ください)。

とりわけ女性は、男性に比べて体全体の筋肉量が少なく、皮下脂肪の割合が多いため、体が冷えやすく、冷房病のリスクが高くなります。座りっぱなしのデスクワークでは、女性だけでなく筋肉量の多い男性や若い人にも症状が現れることがあります。

冷房病の主な症状

  • 手足・おなか・腰などの冷え症状
  • 倦怠感
  • 肩こり
  • めまい
  • 関節痛
  • 下痢
  • 腹痛
  • 食欲減退
  • 生理不順

など

冷房とうまく付き合うために

空気の循環を意識する

冷気は下に溜まるため、足元ばかりが冷えがちになります。また冷風が直接体に当たっていると体温調節がしにくくなるため、エアコンの風向きは上にし、扇風機やサーキュレーターを用いて空気の循環を作ることができれば、身体を冷やしすぎず空間を冷やすことができます。
カーディガン、ひざ掛け、靴下などを使用して、局所的に温めることもおすすめです。

体をこまめに動かす

長時間同じ姿勢で仕事をしていると血行が悪くなります。冷房をつけて冷えた状態でいるとより血行が滞りがちになるため、定期的に立ち上がって少し歩いたり、軽くストレッチをして、体の血行を促しましょう。

体を内側からあたためる

温かい飲み物、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
暑いからといって冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎないようにしましょう。

湯舟に浸かって身体を休める

お風呂はシャワーだけですまさず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かると冷えて収縮した血管が広がり体が温まります。
足湯も効果的です。


夏なのに冷えに困っている人は多くいます。
この時期の体調管理として、夏の暑さ対策と同時に冷え対策も行いましょう。

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です