本コラムは、日頃の産業医活動の中で行なっている講話から、一部をご紹介するものです。
健康経営※に取り組む皆様のお役に立ちますと幸いです。
今回は冬に流行する感染症であるインフルエンザと新型コロナ、そして風邪についてです。
例年、10月ごろからこれらの感染症に罹患する人は多くなりますが、それぞれの感染症ごとにはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの感染症の違い

上記は2022年に発表された論文でまとめられている、各感染症の症状の違いについての表になります。
風邪を基準にして表を見ると、一般的にインフルエンザは風邪よりも症状が重く、急な高熱(38℃以上)や咳、筋肉痛といった典型例・全身症状が多いといわれています。
対して新型コロナは人によっては無症状の場合や、発熱や喉の痛み、味覚・嗅覚障害、呼吸苦など症状が多様であるといわれています。
アレルギー症状でも鼻水やくしゃみが出ますが、熱は出ないという違いがあります。
それぞれに特徴はあるものの、似た症状も多いため、症状だけで鑑別がつきにくい場合は早めに医療機関を受診し、原因に応じた治療を行い悪化を防ぎましょう。
現在はインフルエンザと新型コロナを同時に検査することが可能です。市販の検査キットもありますが検査する時期によって偽陰性(本当はその病気になっているのに検査結果が陽性に出ないこと)に出ることもありますので、注意が必要です。
感染症対策として、手洗いうがいなどできることから心がけましょう。
冬に風邪をひきやすい理由
冬は風邪症候群やインフルエンザ等の呼吸器感染症にかかりやすい時期です。
その理由の一つに【湿度の変化】があります。
- 湿度の低下によって、ウィルスや細菌の空間浮遊時間が長くなる
風邪症候群はウィルスや細菌の感染が原因で発症します。冬は湿度の低下により、ウィルスや細菌の含む水分量が低下して、それらが軽くなる為、長く空気中に漂流することができます。その為、私たちの体内に入り込みやすくなるのです。
- 湿度の低下によって、気道粘膜が乾燥し、ウィルスが入り込みやすくなる
体内に入り込んだウィルスや細菌は、通常鼻や喉の粘膜にある線毛の働きにより、体外に排出されます。しかし、湿度が低下し鼻や喉が乾燥した状態では、線毛の働きが低下し、ウィルスや細菌をうまく体外に排出できなくなります。
部屋に温湿度計を設置して、暖房を使用する際には加湿も一緒に行うことを心がけましょう。
また、冬場は喉の渇きを感じにくく、水分補給を怠りがちです。水分補給は喉や鼻の粘膜をうるおしウイルスの侵入を防ぐと同時に、侵入したウイルスを痰や鼻水によって体外に排出する作用を助けます。夏場と同様、意識して水分補給を行いましょう。
参考:
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